着物警察って…
近頃、ちょっと話題になっていますね。
着物警察のことです。
私は今まで着物警察による取り締まりを受けたことはありません。
ただ、一度だけ、着物警察と思われる方に出会ったことがあります。
駅のホームを歩いていたら、私を追い越して前に出てこられた年配のご婦人が。
そのまま前に進まれるのかと思ったら、くるっと振り返り、私の着物の裾模様と私の顔を交互に凝視するではないですか。
何事かと焦りました(汗)
ご婦人は凝視してはちょっと進み、また振り返っては凝視して…と繰り返していらっしゃいました。
そして、そのままどこかへと行かれてしまいました。
何か思うところがあったのでしょうね…。
確か1月頃、ちょうどこの付下げを着ていた時でした。
なので、特におかしいところもなかったとは思うのですが…。
もしかしたらマントが気に入らなかったのかもしれません。
付下げはちょっとフォーマルなので、着物コートか道中着、道行コートを着ろ、ということだったのでしょうか…。
あくまで想像ですが。
着る物なんてみんな自由
噂では、歌舞伎座で着物警察の方々に囲まれた、道でいきなりコーディネートを批判された、などなど…ちょっと普通では考えられない話を聞くことがあります。
私は先述した通り、いわゆる着物警察に出会ったことはありません。
おそらく、私は保守的な着方しかしないので、着物警察の方も取り締まれないのだと思います。
もちろん、私は自分の好みが保守的な着方だからと言って、他の方の着物の着方に文句は言いません。
着物にブーツを合わせたり、帯の代わりにスカーフを使ったり、と自由な着方も良いと思っています。
私が保守的な着方を好むように、斬新な着方を好む方もいらっしゃいますからね。
着る物なんて、好みの問題で、みんな自由なはずです。
なので、いきなり着物の着方やコーディネートについて、とやかく言う資格はないと思うのです。
正絹だけが着物…?
最近増えた、観光地での着物レンタルについても文句を言っている着物警察の方がいるみたいです。
浅草や鎌倉などでよく見かけますが、レンタル用の着物は恐らく正絹ではなく、化繊だと思います。
私も正絹でスッキリした色柄の着物が好きですが、化繊で華やかなプリントの着物だって良いじゃないですか。
普段は保守的な着方しない私でも、化繊の着物は持っています。
派手じゃない化繊の着物もあります。
この江戸小紋は、化繊と言わなければわからないぐらいです。
とても重宝しています
化繊でも、なんでも、もっとみんな着たらいいと思うのです。
特に、外国人観光客の方が着物を着て楽しそうに写真を撮っている姿を見ると、私も嬉しくなります。
着物は正絹じゃないと、だなんて了見の狭いことを言う方々がいるせいで、着物を着る方が減っているんじゃないでしょうかね。
やっぱり変ですよね
洋服に置き換えてみると、着物警察の方々の言動はとてもおかしいと思いませんか?
他人の洋服のコーディネートにも、チェックして文句を言うのでしょうか?
化繊の洋服だったら文句を言うのでしょうか?
着物警察の方々は洋服も全てシルクなのでしょうか?
着物警察の方々がずるいのは、自分より弱い立場と思われる人に言う、というところです。
私の周りで着物警察の被害に合っているのは、若い女性ばかりです。
年配の女性で着物警察に合った方はおりません。
年配の方が斬新な着方をしている可能性も低いですが…。
考えれば考えるほど、やっぱり変です。
着物が好きなら
私の日本舞踊の師匠は着物を約60年は着ています。
師匠のお母さまも着物がお好きで、着付けは完璧ですし、大変目が肥えております。
私と同じく保守的な着方がお好みですが、他の方の着方に文句をつけることはありません。
最近の着物警察の話をしたら、「そんなこと言うなんて無礼!」と大変驚いていました。
師匠は今まで、見知らぬ人に文句や意見を言ったことはないそうです。
ただ、一度だけ、我慢できずに声を掛けたことがあったとのこと。
たまたまお手洗いで出会ったお嬢さんが、浴衣を左前で着ているのを見て、かなり悩んだけれど声を掛けたそうです。
お嬢さんに了承を貰って、パパっと着付けをし直してあげたそうです。
こういったことなら、着ている方も有り難いとおもうのですが…。
私もお手洗い後に、お太鼓のタレがめくれているのを直し忘れることがあります。
だいたい年配の女性が優しく直してくださったり、声を掛けてくださいます。
ついでに着物を褒めてくださることもあって、こちらもほっこりします。
こういうお声掛けなら大歓迎というか、大変助かりますし、嬉しいです。
着物警察の方も、着物が大好きなんだと思います。
なので、他の人の着物が気になって仕方ないし、文句や意見も言いたくなるのでしょう。
ですが、他人の気持ちを傷つけてまで言うことでしょうか。
私も着物が大好きですが、絶対に着物警察にはなりません。
だって、着物が大好きならそれでいいじゃないですか。
みんな好きなものは違います。
教科書通りに着なくてもいいじゃないですか。
楽しく、着物を着ましょうよ。